【アルピコホールディングス株式会社】集客効果を競合分析やキーワード調査で可視化。ホテル・キャンプ場など多事業の課題解決を加速させた、Similarweb活用術

長野県を中心に、交通・観光・流通・レジャーなど多岐にわたる事業を展開し、地域社会の基盤を支えているアルピコホールディングス株式会社。創業から100年を超える同社では、「インバウンド推進室」を発展させる形で「インバウンド&マーケティング推進室」を設立し、グループ全体のデジタルマーケティングを推進しています。
SNSやWEBサイトなどのデジタル戦略をグループ各社に浸透させるための“データに基づく武器”として、2021年に導入されたのがSimilarwebです。
今回は、Similarweb導入の背景から活用の実態、そして今後のデータ連携に向けたビジョンについて、インバウンド&マーケティング推進室 担当課長の酒井大希様と、係長のナヤマイ・ラッキャットウォン様にお話を伺いました。
アルピコホールディングス様の事業概要とデジタル推進のミッション
━━━まずは、アルピコホールディングス様の事業概要と、お二人が担当されているミッションについて教えてください。
酒井様
当社は100%持株会社として、鉄道から始まった創業100年以上の歴史を持つ企業です。現在は、長野県を中心に地域社会を支える多様な事業を展開しています。
- 交通事業:バス、タクシー(それぞれ長野県内では、保有台数は1位)。
- 観光事業:ホテルブエナビスタなどのホテル系3施設、上高地などの旅館系3施設。
- 流通事業:スーパーマーケットのデリシア、ユーパレットなど約60店舗。
- レジャー事業:蓼科エリアでのキャンプ場、ゴルフ場など。
私たちが所属するのは、インバウンド&マーケティング推進室です。
私はこの推進室において、グループ全体のデジタルマーケティングを推進する役割を担っています。具体的には、インバウンド事業で蓄積した知見を活かし、グループ各社のSEOやSNSといったデジタル施策を支援し、全体的なデジタルリテラシーの底上げをはかっています。
ナヤマイ様
私は主に、推進室のミッションの一つであるインバウンド誘客に関わるデジタルマーケティング全般を担当しています。長野県への訪日外国人旅行者誘致のため、ウェブ発信やSNS、多言語対応などを担っています。
━━━グループ全体のデジタル推進は、立ち上げ当初からスムーズでしたか?
酒井様
正直に申し上げると、当初は「デジタルアレルギー」というか、「そうは言っても」という反応が多く、かなり大変でした。今までマーケティングという横断組織がなかったため、各事業会社が独自のやり方で「これで満足している」「今のやり方を変えたくない」という考えも根強くあったからです。
グループ全体の「武器」としてSimilarwebを選んだ理由
━━━そのようにデジタル推進に抵抗感がある中で、Similarwebを導入されたきっかけや決め手は何だったのでしょうか?
酒井様
グループのデジタル推進を始めるにあたり、まずは私たちが「武器」を作る必要があると考えました。SEOを強化しようという話になり、ツールを探し始めたのがSimilarweb導入のきっかけです。
実は、私が以前からSimilarwebの拡張機能を使っていた経験があり、「これはすごい、面白い」と思っていたんです。
━━━当時、複数のツールと比較検討されたかと思いますが、最終的な決め手は何でしたか?
酒井様
いくつかのツールを比較し、トライアルも行いました。各社それぞれに強みはありましたが、Similarwebの最も大きなメリットは、単なる自社のSEO対策ツールにとどまらない点でした。
他社のサイトのトラフィック量や、どのようなキーワードで競合が見られているかという、他社では見られない市場のインサイトを把握できる点が、他のツールとは一線を画していました。
各事業会社に、私たちが「あなたたち何してくれるの?」ではなく、「データ」という具体的な武器を持って提案できる。これが決定打となりました。
課題解決の「起点」となるSimilarwebの具体的な活用事例
━━━現在、Similarwebをどのように活用され、どのような成果につながっていますか?
酒井様
「Similarwebを使って何かしてほしい」という依頼はほとんどなく、ほとんどが「キャンプ場事業で広告打ちたいんだけど相談に乗ってくれる?」といった、課題ベースのオープンな相談という形で来ます。
その際、私たちはどんな相談でも、まずはSimilarwebを分析の「起点」として活用します。
具体的な活用例として、例えばキャンプ事業などから新規広告の相談が来た場合、まずはSimilarwebで競合サイトのキーワード分析を実施します。それにより、どのような検索ボリュームがあるかを確認し、広告施策の方向性を定めるための起点データとしています。
また、ホテル事業などで自社予約サイトのコンバージョンが不足しているといった課題がある場合は、自社サイトだけでなく、競合となるOTA(オンライン・トラベル・エージェント)の流入状況と比較分析を行います。これにより、「自社サイトではなく、OTAに流入している」という客観的な事実が判明し、集客効果の真実を把握することができました。
さらに、広告クリエイティブの制作に際しては、他社がどのような広告を出しているかをクリエイティブ機能で参考にしています。自分がターゲティングされていなければ見られない広告も確認できるため、重宝しています。
▼Similarwebの具体的な活用方法と効果まとめ
| 相談内容 | Similarwebの活用方法 | 得られた気付き/効果 |
|
新規広告の相談(キャンプ場など) |
まず競合サイトのキーワード分析を実施し、どのような検索ボリュームがあるかを確認 |
広告施策の方向性を定めるための起点データとなる |
|
予約サイトのコンバージョン不足(ホテル事業など) |
自社予約サイトだけでなく、競合となるOTA(オンライン・トラベル・エージェント)の流入状況と比較分析 |
「自社サイトではなく、OTAに流入している」という客観的な事実が判明し、集客効果の真実を把握できた |
|
広告クリエイティブ制作の参考 |
他社がどのような広告を出しているかをクリエイティブ機能で参考にしている |
自分がターゲットになっていなければ見られない広告も確認でき、重宝している |
━━━Similarwebを導入し、特に日常的な分析の中で、当初の目的であったSEOや競合調査以外に、「これは使える」といった意外な発見や、プラスアルファの活用方法はありましたか?
ナヤマイ様
Similarwebを継続して利用し、特に競合他社の分析を行う中で、最初は見落としていた機能や、あまり意識していなかったデータに改めて気づかされることがよくあります 。そういった「この機能は使えないと思っていたけど、実はこんなに使えるんだ」という新たな発見があるのが、このツールの面白さですね 。
━━━Similarwebを導入したことによる、最も重要な成果は何だとお考えですか?
酒井様
定量的なROI(投資対効果)を明確に出すのはむずかしいですが、最も大きな成果は、定性的な信頼を勝ち得ているという点です。
デジタルアレルギーをもつ人たちからの相談でも、Similarwebを使うことで、ある程度データに基づいた解決の方向性を示すことができます。その都度、「どんな場面でも使える」という信頼を積み重ねることができているのが、この4年間で最も得られた成果だと感じています。経営会議で話題になったことについて相談が来ることも増えました。
デジタルを加速させる1年後、2年後のビジョン
━━━今後、Similarwebのデータをどのように活用していきたいか、ビジョンやプランがあれば教えてください。
酒井様
現在、私たちはTableauなどのBIツールを使ってデータ分析を行っていますが、今後はDWHやCDPといったデータ基盤の構築を進めています。アルピコグループとして「何をするにもデータを見ましょう」という意識を浸透させたいと考えています。
その中で、Similarwebの外部データと、私たちが保有する内部データをうまく統合(インテグレート)し、活用していくことが今後の大きなビジョンです。
ナヤマイ様
今は内部データが中心ですが、両方のデータを使って、新しい商品開発や需要予測をしていかなければなりません。
酒井様
需要予測においては、Similarwebのキーワードやトレンドのデータがあれば、「来年プラス何%」といった試算にも活用できます。1年後、2年後には、こうしたデータ連携できるシステムを開発していくプロジェクトが動いています。
最後に:Similarwebの活用に向けたメッセージと期待
━━━今後のSimilarwebへの期待や要望があれば教えてください。
ナヤマイ様
私が担当しているインバウンドの観点からは、ぜひ他の国のデータを見られるようにしたいです。現在の契約では、日本国内のデータを利用していますが、台湾、香港、シンガポール、タイ、オーストラリア、中国といったターゲット国のデータを参照できれば、さらに有効に活用できると考えています。
酒井様
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