YouTubeで見つけてもらう!キーワード選定と最適化の基本

デジタルに関するグローバルレポート「Global State of Digital 2022」によると、インターネット利用者の92%が毎週動画コンテンツを視聴しており、アメリカでは62%の人が毎日YouTubeを利用しています。YouTubeの月間訪問数は1,430万件にのぼり、ユニークユーザーは17億人を超えています。
YouTubeは動画配信のプラットフォームであると同時に、Googleに次ぐ世界第2位の検索エンジンでもあります。
そう、実はYouTubeの月間検索数は、Bing、Yahoo、AOL、Ask.comをすべて合計した数よりも多いのです。今やマーケターにとって、YouTubeはデジタル戦略に欠かせない存在となっています。
これほど多くのユーザーをかかえているにもかかわらず、Fortune Lordsによると、アメリカの中小企業でYouTubeを活用しているのはわずか9%に過ぎません。
つまり、多くの中小企業がこの大きなチャンスを見過ごしているということです。YouTubeは多くの視聴者が情報を探している検索エンジンでもあるため、見つけてもらう仕組みをつくれば、認知度の向上や専門性のアピールにつなげることができます。重要なのは、自社のターゲット層に合ったテーマを見つけ、動画を最適化することです。
本記事では、YouTubeチャンネルと動画におけるキーワードリサーチの進め方と、効果的に活用するための実践的なヒントをご紹介します。
YouTubeのキーワードリサーチとは?
YouTubeのキーワードリサーチとは、ユーザーがYouTubeで動画を探すときに使うキーワードを特定するプロセスです。SEO担当者や動画マーケターはこのプロセスを通じて、YouTube上でより多くの視聴者に届くように動画コンテンツを最適化します。適切なキーワードを見つけることで、ターゲットとする視聴者にリーチしやすくなります。
キーワードは、どの検索エンジンを対象にしたSEOでも基本となる重要な要素です。コンテンツ制作者は、これらをコンテンツ内に組み込みながら活用します。ただし、GoogleとYouTubeではキーワードの評価方法に違いがあります。これは、それぞれのプラットフォームがもつ目的の違いに起因します。
Googleはユーザーを外部のサイトに導くことを主眼としていますが、YouTubeはユーザーをできるだけ長くプラットフォーム内にとどめ、次々と動画を視聴してもらうことを目的としています。
YouTube向けのキーワードはどうやって見つける?
YouTube SEOでは、Googleと同様にコンテンツ内やメタデータ(動画タイトル、タグ、説明文など)にキーワードを入れて、検索インデックスに正しく登録させる仕組みがあります。検索結果、関連動画、広告など、さまざまな箇所で視聴者の目にとまるようにするためには、正しいキーワード選びが重要です。
まず最初にやるべきことは、「ユーザーがどんな言葉で検索しているか」を明らかにすることです。つまり、あなたが発信するコンテンツを探すとき、視聴者が検索バーに何と入力しているかを知ることがカギになります。
以下に、キーワードを見つけるための方法をいくつかご紹介します。
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YouTubeのオートコンプリート機能を活用する
これは定番のテクニックです。Googleでも使ったことがある方が多いと思いますが、YouTubeでも同様に使えます。検索バーにキーワードの一部を入力すると、自動的に補完候補が表示されます。これによって、視聴者が他にどんなキーワードで検索しているかがわかり、関連トピックやサブテーマも見えてきます。内容を分けて別動画にするヒントにもなります。
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人気動画や競合チャンネルのキーワードをチェックする
競合のYouTubeチャンネルにアクセスし、人気動画のタイトルや説明文を分析して、どのようなキーワードが使われているかを確認しましょう。これにより、自分では気づかなかった新しいキーワードのアイデアが得られます。
このあとご紹介するように、競合のSEOをより深く分析したり、自社のパフォーマンスと比較する方法もあります。
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Googleで動画検索をしてみる
まず、Googleで動画検索をすると、YouTube以外も含めた関連動画をさらに幅広く確認することができます。
さらに、あまり知られていませんが、検索結果の一番下に表示される「関連キーワード」には、LSIキーワード(=意味的に関連する語句)が含まれています。ここからもキーワードのヒントが得られます。
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YouTubeのタグを調査する
YouTubeタグは、動画の内容を伝え、検索結果に表示されやすくするための重要な手がかりです。SEOに強い動画制作者は、必ずタグを活用しています。
YouTube動画のキーワードリサーチをする際には、競合や人気動画が使っているタグを調べてみましょう。同じターゲットオーディエンスにリーチするために、どのようなキーワードを使っているかが見えてきます。
タグを調べるには、ページのソースコード内で「keywords」を探すか、TubeRanker などのツールを使うと簡単に抽出できます。
さらに詳しく知りたい方へ: Everything You Need to Know About YouTube Tags
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キーワード提案ツールを使う
有名なツールとして「Answer the Public」があります。これは、特定のキーワードに関連する質問やロングテールキーワード(長めの検索語句)を可視化してくれます。
「AlsoAsked」など、同様の仕組みを持つツールもあります。ただし、これらのツールの多くはYouTubeの検索ボリュームまでは表示できない点に注意が必要です。
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YouTube Studioの詳細データを活用する
チャンネルに一定の視聴数がある場合、YouTube Studioの「詳細」メニューで動画に対する検索トラフィックのデータが確認できます。動画によっては、ユーザーがどのキーワードでたどり着いたかも見える場合があります(すべての動画で確認できるわけではありません)。
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専用のYouTubeキーワードリサーチツールを使う
一般的なキーワードリサーチツールでも調査は可能ですが、多くのツールはGoogle検索を前提として設計されており、YouTube専用のデータには対応していない場合があります。
YouTube向けに特化したツールを使えば、チャンネル最適化やキーワード選定に必要な情報が効率よく手に入ります。ただし、Google用、YouTube用、Amazon用など、複数のツールを併用する必要があるという課題もあります。
では、複数のプラットフォームに対応しながら、効率的にYouTubeキーワードを見つけるにはどうすれば良いのでしょうか?SimilarwebのYouTubeキーワードリサーチツールなら、YouTube専用に最適化されたキーワード分析がスムーズに行えます。
効果的なYouTubeキーワードリサーチの進め方
実際にリサーチを始める前に、まず「データの質」について考えてみましょう。リサーチの成果は、使っているデータの精度に大きく左右されます。検索の実態を正確に反映したリサーチ結果を得るには、信頼性が高く、鮮度のある正確なデータが必要です。
一般的なツールの多くは、Googleのデータのみをスクレイピングして取得していますが、Similarwebのウェブインテリジェンスプラットフォームは、数十億件に及ぶ実際の検索クエリをもとに、匿名かつ検証済みのデータを活用しています。具体的には、数十億のウェブサイトから得られる公開データに加え、アプリやウェブサイトのオーナー、パートナー企業、そして数百のグローバルなウェブサイトからなる貢献ネットワークの4つのソースから収集しています。
このように、Similarwebのキーワードリサーチツールは、Googleのデータに加えて独自の信頼性ある検索データを組み合わせており、競合他社の検索トラフィックを正確かつタイムリーに把握することができます。
Similarwebの「YouTubeキーワードジェネレーター」を活用しよう
キーワードリサーチの基本ステップは、ブログやウェブページのSEOと同じです。まずは、提供する商品やサービスに関連する検索キーワード、つまり動画が見つかってほしいキーワードを決めるところから始まります。
ここで役立つのが、Similarwebの「YouTubeキーワードジェネレーター」です。「キーワードジェネレーター」の機能を選択し、関連キーワードを入力し、Google、Amazon、YouTubeの3大検索エンジンから「YouTube」を選択するだけで、ショートテールやロングテールの追加キーワードを発見できます。検索ボリュームやその推移、実際のクリック数などのデータも確認できます。
このツールを使えば、YouTubeの検索ボリュームも簡単にチェックでき、検索ユーザーがどの国からアクセスしているのかまで把握できます。また、完全一致だけでなく、関連語句まで広げたリサーチができるのも大きな特長です。
フィルター機能で調査対象を絞り込む
調査対象をより絞り込むために、「含めたいワード」や「除外したいワード」を設定することが可能です。例えば、特定のテーマについて「チュートリアル動画」だけを調べたい場合は、「how to」を含むキーワードだけを表示させるようにフィルターを設定します。
反対に、「how to」を除外すれば、チュートリアル以外の動画に適したキーワードだけを抽出できます。こうして条件を絞り込むことで、よりピンポイントなYouTube向けキーワードを見つけやすくなります。
新しい動画の企画に役立つキーワードを見つけたいときや、新しいターゲットオーディエンスにリーチしたいときにも有効です。検索意図に合わせた精度の高いキーワード設計が可能になります。
キーワードを分析して、動画SEOに活用する
オートコンプリートで拾ったキーワードでも、競合のタグから抽出したものでも、自分で考えたアイデアでも、次のステップはそれらを「YouTubeキーワードジェネレーター」に入力して分析することです。
中でも注目すべき指標は「検索ボリューム」です。一般的には、検索ボリュームが多いキーワードを動画のメインキーワードとして選びます。その上で、実際のクリック数と照らし合わせて「見られている」キーワードかどうかを確認しましょう。検索トレンドが下がっていないことも要チェックです。
サブキーワードもメインテーマに沿ったものである必要があります。例えばチュートリアルなら「How to」や「gide」、「tutorial」といった表現が含まれるのが自然です。
ロングテールキーワードのトラフィックデータもチェックし、動画の説明文やタグにサブキーワードとして活用していきましょう。
キーワードリサーチをもっと広げてみよう
「YouTubeキーワードジェネレーター」だけにとどまらず、他のキーワードリサーチツールも活用して、より深くキーワードのパフォーマンスを掘り下げていきましょう。ここでは、さらに踏み込んだ調査方法をご紹介します。
- 競合分析を行う:競合サイトにどんなキーワードからトラフィックが流入しているのか、新しい注目キーワードは何かを把握できます。また、自社と競合のすべてのマーケティングチャネルにおけるトラフィックやエンゲージメントを比較し、競合がYouTube上で成功している施策を見つけましょう。そこから、自社のYouTube戦略に活かせるヒントが得られます。
- キーワードギャップを発見する:見逃しているキーワードはありませんか? Similarwebのキーワードギャップツールは、キーワードの「順位」ではなく「実際に発生しているトラフィック量」を測定できるため、より現実的なポテンシャルが把握できます。
- キーワードのトラフィックを分析する:オーガニック検索と広告流入を分けて分析したり、トラフィックがどこから来ているのか、どの業界のサイトが流入を受けているのか、何がトレンドなのかなどを把握できます。
- キーワードを並べて比較する:Similarwebのキーワード比較機能では、最大5つのキーワードを同時に比較可能です。主軸とするキーワードの選定や、類似キーワード間のパフォーマンス差を把握するのに便利です。ちなみにGoogleは、類似キーワードをひとまとめに扱う傾向があります。
- モバイルとデスクトップのトラフィックを分析する:どんな動画コンテンツであっても、モバイルからの検索を意識することは非常に重要です。Statistaによれば、モバイルでの動画視聴時間は、デスクトップの2倍にもなるというデータもあります。モバイルユーザーは、1回の視聴でより多くの動画を見る傾向もあります。
YouTube SEOとGoogle SEOの違いと共通点
ここまでで、YouTubeチャンネルや動画に適したキーワードの見つけ方と分析方法を紹介しましたが、そのプロセスは一見、Googleと似ています。しかし、YouTubeとGoogleでは目的が異なります。YouTubeの目的は、ユーザーがより多くの動画を視聴し、長く滞在してもらうことです(広告収益がそこにあるためです)。一方、Googleは検索者に最適な答えや情報を届けることが目的です。
それぞれの視点の違いを、以下の比較表で見てみましょう。
| 共通点 | YouTube | ||
| 目的 | 信頼性が高く質の高いコンテンツを提供すること | ユーザーが長く滞在し、動画をたくさん視聴するように促す | 検索者の質問に対して最適な答や情報を届ける |
| 主な評価基準 | キーワードの一致と権威性 | 視聴時間、視聴維持率など20以上の要素 | コンテンツ最適化、被リンク、技術的SEOなど200以上の要素 |
| 権威性の評価基準 | 投稿数や更新頻度 | チャンネル登録者数、視聴者のエンゲージメント | E-A-T(専門性・権威性・信頼性)、自然検索トラフィックなど |
| エンゲージメントの測定 | 視聴回数、クリック率、コメント、登録者数など | ページ滞在時間、直帰率、CTRなど | |
| ランキングにかかる時間 | 動画はすぐに上位表示されることもある | 数日〜数か月かかる場合が多い |
これらを理解しておくことで、YouTube動画の最適化がしやすくなります。
YouTube動画を公開する際のベストプラクティス
YouTube Studioは、動画の最適化・管理・収益化の中心となるツールです。ここでキーワードを設定し、オーディエンスとのつながりを強化します。
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動画のタイトルを最適化する
ブログ記事のタイトルにキーワードを含めるのと同様に、動画ファイル名や最終的なタイトルにもYouTubeキーワードリサーチで見つけた主要キーワードを含めましょう。これにより、YouTubeが動画の内容を正しく理解しやすくなります。また、視聴者にも動画の内容が一目で伝わりやすくなります。
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説明欄を充実させる
YouTubeの説明欄には最大5,000文字まで入力できますが、長文になりすぎないように注意しましょう。
・動画の要点を簡潔にわかりやすくまとめる
・ターゲットキーワードを自然に盛り込む
・関連コンテンツ(自社サイト、ブログ、他の動画など)へのリンクを追加する
・視聴後に取ってほしい行動(CTA)を明記する
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字幕と文字起こしを追加する
YouTubeは動画の内容を把握するために、自動的に文字起こしを行います。自動生成された文字起こしを使用することも、自分で作成した文字起こしをページに追加することも可能です。さらに、SEOを強化し、視聴者を動画に留める方法として、字幕を追加するという手もあります(その際は .SRTファイルを使用するか、文字起こしを直接入力して動画と同期させる必要があります)。
これらの箇所にキーワードを含めることで、YouTubeに動画のメッセージや意図、ターゲットオーディエンスを正確に伝えることができます。
また、視聴者にとってもメリットがあります。音声を出さずに視聴しても内容が理解できるためです。音を出さずに動画を視聴する人は年々増加しており、この点はますます重要になっています。さらに、この文字起こしを再利用して、自社ウェブサイトのブログ記事として活用することも可能です。
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YouTubeタグを活用する
タグには、調査で見つけたキーワードをすべて登録できます。文脈に関係なくキーワードを追加でき、類義語や関連語も設定可能です。
YouTube Studioの「詳細設定 > さらに表示」からタグを追加できます。
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カテゴリを設定する
「詳細設定」で動画に合ったカテゴリを選びましょう。適切なカテゴリに設定することで、関連動画やプレイリストに表示されやすくなり、視聴数の増加につながります。
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サムネイルを工夫する
サムネイルは検索結果で視聴者の目に最初に触れる部分です。自動生成された画像ではなく、目を引く・内容が想像できる・興味を引くオリジナルの画像を作りましょう。
ファイル名にもタイトルや主要キーワードを含めると、さらに効果的です。
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シリーズ動画とプレイリストを作成する
単発の動画ではなく、トピックに関連したシリーズを作ることで専門性(トピカルオーソリティ)を高められます。さらに、プレイリストにすることで視聴者の滞在時間が伸び、SEOにも好影響を与えます。
YouTubeを最大限に活用するために
検索エンジンとして、またコンテンツプラットフォームとしての人気の高まりに伴い、YouTubeはコンテンツマーケティングや配信、プロモーションの場としてますます注目を集めています。
今や、動画が適切なターゲットに見つけてもらえるように、キーワードを意識して最適化することは「できればやっておきたいこと」ではなく、「必須」と言えるほど重要です。キーワード調査に基づいたSEO対策は、貴社のビジネスや製品、サービスの認知を高め、新たなオーディエンスにリーチするための鍵となります。
本記事で紹介した、キーワード調査・最適化・競合分析・動画説明の書き方などのベストプラクティスを実践すれば、今後もYouTubeを効果的に活用していくことができるでしょう。
Similarwebを活用すれば、動画コンテンツ戦略に役立つインサイトや効果的な動画キーワードを見つけ出し、より多くのトラフィックを獲得することが可能です。
よくある質問(FAQ)
YouTubeで効果的なキーワードはどうやって見つけるの?
YouTube専用のキーワードジェネレーターを使うのが最も効果的です。どのキーワードが検索され、どのワードが多くのトラフィックを生んでいるかがわかります。
YouTube向けのキーワードリサーチはどう進める?
まずトピックを明確にし、それに関連する言葉を洗い出します。次に、YouTubeのオートコンプリートや競合の動画を調査し、キーワードをリストアップしましょう。YouTube用のキーワードツールを使うと、分析がより正確になります。
YouTubeで効果的なキーワードとは?
動画のテーマを明確にし、検索者の意図に合致したものが理想です。特に「ロングテールキーワード(複数語の検索語句)」は、検索エンジンにも検索者にも意図が伝わりやすいため、動画との相性が良い傾向にあります。
Wondering what Similarweb can do for you?
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